こんにちは。村上です。
低用量ピルといえば、避妊薬というイメージが強いですよね。
このサイトの読者さんは「妊活」に興味があっていらしているので、避妊してどーすんだという話ですが、実は低用量ピルの効果は避妊だけではありません。
多くの場合は、毎月の月経の際に体調が悪くなるPMS(月経前症候群)の緩和に為にも使われます。
男性読者にとっては馴染みのない話かも知れませんが、お互いの身体の事を理解することは重要です。
また、女性にっても、低用量ピルは実は「妊娠しやすい体作り」にも役立つとされています。
今回は低用量ピルと、妊娠を希望される場合の使い方について解説します。
【このページの目次】
低用量ピルとは
そもそも「ピル」とは、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが配合されたものの事です。
これらの女性ホルモンを経口摂取することで、体内のホルモン濃度を高めることが目的。
では、これによってどんな効果があるのでしょうか?
1.身体を擬似妊娠させる
女性ホルモンは、妊娠したときに大量に分泌されます。
このため、身体は一度妊娠すると、女性の身体の機能のうち「妊娠のために必要な機能」を全てストップします。
それは、卵子の排卵、子宮内膜の成長、子宮頸管のメンテナンスなどです。
ピルの役割は、妊娠したときに大量分泌される女性ホルモンを経口摂取することで、脳に「妊娠している」と錯覚させ、妊娠のために必要な機能をストップすることです。
これにより、ピルを服用中は排卵が起きず、子宮内膜も成長せず、そもそも子宮に精子が入り込みにくくなり、妊娠がしにくくなるというわけです。
現在、低用量ピルを正しく服用した場合の避妊成功率は99%で、ほぼ100%と発表している資料もあります。
避妊の代表的な方法である「コンドーム」でも、3~10%は失敗すると言われており、低用量ピルはコンドームよりも確実な避妊方法です。
2.ホルモンバランスを整えてPMSを緩和する
ピルは女性ホルモンを経口摂取することで血中濃度を高く保つ働きがあります。
このことは、生理不順や重篤なPMSを緩和することにも役立ちます。
また、排卵日周辺では身体が非常にデリケートになりホルモンバランスが乱れやすくなりますが、低用量ピルで女性ホルモンを補給することにより、ホルモンバランスを保って正常な身体の機能を維持できます。
この事は、生理不順の改善にも役立ちます。
3.排卵を止めて卵巣を休める
これまで、低用量ピルの効果といえば「避妊」と「PMSの軽減」の2つばかりが有名でしたが、実はこれに付随した大きな効果があります。
それが「排卵を止めることで卵巣を休める」ということ。
女性が一生の内に排卵できる卵子の数は決まっていますが、昔のように一人の女性が何人もの子供を生んでいた時には、当然排卵の個数も減ります。
しかし、現代では初産が遅くなり、さらに生涯の出産数も減っていますから、必然的に毎月排卵があり、これによって卵巣が休める時間がなくなっているのです。
また、低用量ピルによってホルモンバランスを整え、生理周期を一定に保つことは、子宮内の環境を常に良いものに保つために大きな効果があります。
妊娠を希望しない時には低用量ピルで卵巣を休めつつ生理周期を整え、妊娠を希望する時には服用をやめて排卵を促すことで、”妊娠しやすい体づくり”につながるのです。
まとめ 妊活しない時は低用量ピルで母体を休められる
・低用量ピルは月経に伴うホルモンバランスの乱れを緩和する
・妊活しない時は排卵を止めることで身体を休めることが出来る
うちの場合、結婚する前から妻は自主的に低用量ピルを服用していました。
元々そこまでPMSが重い方では無かったそうですが、低用量ピルを加えることでさらに楽になるため、自分で飲んでいたようです。
ちなみに低用量ピルを飲んでいても、結婚する前は感染症対策の意味も含めてコンドームは使っていました。
低用量ピルは妊娠を希望するタイミングでいつでもやめることができます。
服用をやめると排卵が促されるので、最初の排卵と性交のタイミングが合い、着床しづらいなど不妊につながる原因がなければ、最短で1ヶ月以内に妊娠することも可能だそうです。
この際は排卵の様子をみるためにも、基礎体温をつけておくと分かりやすいと思います。
特に初産の年齢が高くなりそうな方は、低用量ピルで卵巣を休めておくことも後々の妊活で有効になってくるかも知れませんね。
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