こんにちは。村上です。
葉酸は、妊活に欠かせない栄養素であることを解説してきました。
しかし、どんな栄養素でも、摂りすぎれば毒になることもあります。
今回は、葉酸の過剰摂取ラインと、その副作用について解説します。
【このページの目次】
葉酸は基本的には安全だが
葉酸は、水溶性ビタミンB群の一種であり、体内には不可欠な栄養素です。
水溶性であるため、過剰分は尿として排出されやすく、基本的には安全な成分とされています。
ほとんどの人は、葉酸によって副作用が生じることは無いでしょう。
1日上限量は1000μg
厚生労働省が策定する日本人の食事摂取基準では、葉酸の1日の摂取上限量は成人男女ともに「1000μg」となっています。
妊活中の場合は1日400μgが推奨されますが、1000μgは超えないようにしましょう。
常識的な食事で葉酸1000μgを超えることはほぼ不可能なため、葉酸サプリを一気飲みしない限りこの上限に達することは無いはずです。
サプリメントは一度に大量に飲んでも意味はなく、適量を毎日継続して飲むことが大切ですね。
葉酸過剰摂取による副作用は?
葉酸を一度に大量摂取することによる副作用は、以下のようなものがあります。
・腹部のけいれん・下痢・腹痛・湿疹・睡眠障害・かんしゃく・混乱
参考文献『サプリメント・健康食品の効き目と安全性』日本ニュートリション協会
などが報告されています。
葉酸がビタミンB12欠乏症を覆い隠す
葉酸は、ビタミンB12と密接な関係があり、血液を作るためにも使われる栄養素です。
葉酸を十分に摂取することで貧血は予防できますが、逆にこのことが「ビタミンB12欠乏症」を診断しにくくしてしまう「マスク効果」が懸念されています。
ビタミンB12欠乏症は、神経障害を引き起こし、後遺症になる場合もあります。
通常は血液検査で発覚しますが、妊活で葉酸を摂りすぎることでビタミンB12欠乏症がマスクされる可能性があります。
葉酸が発がん性を高める?
特定の人では、葉酸の過剰摂取によって結腸がん、直腸がん、その他のがんが悪化したり発生リスクが高まる事もあるそうです。
これは、穀物製品への法的葉酸強化を実施している国で特に懸念されており、今後の研究が注目されます。
一方で、葉酸には各種がんの発生率を低下させる可能性もあるようで、実際に法的葉酸強化国ではがん発生率は低下しているようです。
・がん発生前の葉酸摂取はがん発生率を低下させる可能性がある
・がん発生後の葉酸摂取は、がんを進行させる可能性がある
こういう事ですね。
いずれにしても、1日1000μgを超えて摂取した場合の話ですので、一日分の量を守って葉酸サプリを摂取している分には、安全だと考えていいでしょう。
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