妊活での葉酸摂取 日本は海外に遅れを取っている

こんにちは。村上です。

妊活における葉酸摂取は、日本でも徐々に必要性が認知されてきました。

十分な葉酸が胎児の先天性障害を予防することは、世界共通です。
海外でも神経管閉鎖障害の予防のために、妊娠前の葉酸サプリの摂取が呼びかけられていますが、アメリカや他の先進国では、その取り組みは日本より遥かに進んでいるようです。

海外において、葉酸がどれだけ重要視されているかをご紹介します。

20年前から法的な葉酸強化が行われているアメリカ

サプリメント先進国とも言われるアメリカでは、1998年から合衆国政府の指導によって、小麦、米、シリアル、パンなどのあらゆる穀物製品に「100gあたり140μg」の葉酸を添加することが義務付けられました。

日本人にとっては信じがたい政策ですが、アメリカの食品会社が生産する全ての穀物製品には、葉酸と鉄分を添加しなくてはいけないのです。

この「法的葉酸強化」によって、アメリカ人女性の葉酸摂取量は、平均して一日あたり200μg近く増加したそうです。
米国食品医薬品庁(FDA)は、妊娠が可能な全ての女性に適切な量の葉酸を摂取させることを目標に掲げています。

サプリメントは意識して購入し、毎日飲まないと摂取できませんが、意識しなくても毎日食べるであろう穀物製品に葉酸を添加してしまえば、半強制的に摂取量を増やすことが出来ます。
この大胆な政策により、アメリカでの神経管閉鎖障害の発症率は1995~1996年の4000件から、1999~2000年は3000件となっています。

葉酸強化が開始されたのは1998年ですから、わずか1年で1000件も減少しているのです。

法的葉酸強化は世界に広がっている

国際団体「食糧栄養強化イニシアチブ(FFI)」によると、この法的葉酸強化は2016年までに世界86カ国に広がっているそうです。

葉酸強化を実施した国では、神経管閉鎖障害の発症率は平均して30~50%減少したとのこと。
葉酸の摂取は、先天性障害を予防し、健康な赤ちゃんを生むためにこれだけ重要視されているのです。

なお、強化されているのは葉酸だけでなく、鉄分も合わせて添加されています。

法的葉酸強化を行っている国では、殆どの場合鉄分もセット。
葉酸と鉄分は、妊活サプリを選ぶ際に外せない成分と言えそうですね。

葉酸強化が遅れる日本

穀物製品への法的葉酸強化が世界で進み、神経管閉鎖障害の発症率が有意に低下しているのを尻目に、我が国では未だ葉酸サプリの購入は消費者の自由意志に任せられているのが現状です。

日本の神経管閉鎖障害の発症者は1万人あたり年5~7人で、約30年間、横ばい傾向が続いています。

特に重症の無脳症の場合、出生して数時間後には確実に死亡するため、出産前の超音波検査などで発覚した場合は、人工中絶となる事がほとんどです。

この場合は先天性障害とはみなされないため、実際には神経管閉鎖障害は増加しているとすら言えるのです。

日本でも、穀物製品への法的葉酸強化を進めるべきという意見はありますが、未だ動きは無いのが現状。
葉酸サプリの重要性も、若い夫婦の間に広く認知されているとは言い難く、情報発信や教育の重要性が増しています。

私達も、健康で幸せな家族を持つために、栄養面で出来ることは全てやっておくべきだと思います。

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